愛人契約

愛人契約
愛人契約をした時の条件の一つが、「泣かないこと」だったんだよね。
なんか、「俺の前で涙を見せるな」ってことみたい。
愛人契約した時は、別に「何言ってるの?この人」みたいな感じで、特に何とも思ってなかったんだけど、最近、その愛人契約の条項が重くなってきてる。
泣きたい時だってあるんだよね。
っていうか、ついこの間なんだけど、私、子どもを堕胎したの。
愛人が「子どもは欲しくない」って言うから。本妻さんのところにもう男の子が二人いるらしいから、変な相続問題に巻き込みたくなかったんだと思う。
それで、なんか急に悔しくなっちゃって。
自分のことをないがしろにされてるって感じたら、どうしても悔しくて泣けてきちゃうんだよね。
だけど、ぐっとこらえたよ。だって、これが愛人契約の条件でもあるわけだし。
一人になってから、泣いただけ。病院で、手当してもらって、それから、一人で歩いて帰ったんだよね。
途中で、好きなお菓子屋さんに寄って、一人で食べようと思って買って帰ったの。
私、その時、愛人って立場ってすごく辛いことなんだなって思った。
世の中に味方が一人もいないって状況に耐えろってことなんだなって実感した。
子どもを持つことも許されない。本妻の前では何の権利もないし、当の愛人も私の存在を大事に思ってくれてるわけではない。
ただ、私は愛人を楽しませてくつろがせるためだけに存在してるロボットみたいなものだもん。
私、お金で身を売った人間なんだって、つくづく思い知らされた。
そして、「泣くな」っていう愛人契約の条件が、残酷に思えたんだよね。
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